■あとがき<ヤンキー娘とフィリピン人との贈る言葉の思い出>
桜中学がなくなると読売新聞の江東版で読み、「残念だなぁ」と思っていたところ日幸印刷の石黒さんからFAXが届き、お電話を頂きました。
「金八の件で話しがしたい」
最初は何のことかと思いましたが、お話を聞いてみると本文中にもでてくる二中PTA会長の羽毛田さんと同じ異業種交流会、「オンリーワン」に所属しており、この活動を支援しているとのことでした。
私は日幸印刷の石黒さんとは、足立区の主催する「創業者支援若手塾(経営コンサルタント:三原宏方講師)」でのお知り合いです。
お会いしてお話をしてみると「私の力で役に立つのなら!」という訳で本レポートを書き上げました。
実は私は第4シリーズのロケ地に使われた同じく足立区の「江南中学校」の卒業生。
そして、私達が多分、江南中学校の最後の「校内暴力世代」でした。
私はやりませんでしたが、そこに暴力があるのが日常の中学時代でした。
しかし、そんな同級生のヤンキー達も「腐ったミカン」を殆どのヤンキーが見ており、「金八」というのは多分私達の共通体験なんでしょうね。
その後、数年が経ち、母親が当時営んでいた「内職工房」を手伝っていたことの話しです。
もう時効の話しですが、その工房では不法滞在のフィリピンの方を使っていました。
言葉ちょっと通じない以外は、時給も待遇も日本人と同じにして、私達にとっては貴重な仲間でした。
そんなある日、フィリピン人の「ローラ(仮名)」が帰国することになりました。
私達は近所のカラオケバックスでささやかながら送別会を開きました。
みんな、泣いたり、笑ったり。
惜しむ時間はアッという間に流れるもので、お開きの時間になりました。
最後のシメに「贈る言葉」を私が歌うこととなりました。決して歌が上手いわけではありませんが、他に適任者がいなかったことが理由です。
しかし、ローラのために心を込めて歌いました。
送別会には2人の16才のヤンキー娘もおりました。一人の母親がパートしてきていたのが縁で働いてもらっていました。
このヤンキー娘達はイントロだけで泣き出してしまいました。
「中卒」のこの愛おしいヤンキー娘達には「つい最近」の卒業式を思い出したそうです。
ローラは日常会話も苦手なぐらいの日本語力ですから、私の歌う「贈る言葉」を理解できません。
隣りに座ったフィリピンの国立大学卒業後、政変の為に出稼ぎにきた才媛「アイちゃん(仮名)」が隣で訳しています。
一語、一語、日本語がタガログ語に訳されるたびにローラの目から涙がこぼれます。
曲が2番に入るとアイちゃんは、しゃくり上げながら訳していました。
その場にいる全員が泣いていました。
ローラには、私達の思いが伝わったと信じています。
「贈る言葉」。
誰彼となく別れを惜しむ時にはこの歌が選ばれますが、それは歌の力だけでは生まれなかったことでしょう。
なぜなら、私とこの愛おしい「中卒」のヤンキー娘達の頭の中には、荒川土手と桜中の映像が浮かんでいたからです。
私は当時24才。16才の少女達と同じ「体験」を共有してたのです。
そして偶然にもローラを見送ってから、今年で10年。
金八の新シリーズが始まりました。
いつのまにやら「親子」でみる番組になっていました。
そんな時、こういった「出会い」がありました。
そして、今、あなたとこうして「出会う」ことができました。
桜中学という「文化」を残したいという思いに共感いただける方は、是非、お名前をご記入下さい。
ご記入いただいたメールアドレスに「出席番号」を送らせていただきます。
また、直接足立区にご意見を伝えたい方は下記アドレスよりご意見をお送り下さい。
■足立区政策課
seisaku@city.adachi.tokyo.jp
平成16年11月2日(火)
有限会社 アズモード
代表取締役 宮脇睦(みやわきあつし)
http://www.as-mode.com
足立区古千谷本町3-8-26-A205
TEL/FAX 03-3898-9128
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