■失われたら永遠に取り戻せないもの
確かに私も区民として、厳しい区の財政は知っています。
しかし、売り払って一時所得を得て、その代償に永遠に失われるものもあるのです。
例えば同じ足立区の綾瀬ともつながりがある新撰組が駆け抜け、幕末の英雄達がその理想を燃やした都、京都。
ここに対照的な二つの旅館があります。
それは寺田屋と池田屋。
どちらも幕末の歴史小説では欠かせませんが、今、池田屋を池田屋として訪れる人はあまり多くありません。
寺田屋は往事を伝えておりますが、池田屋のあったそこは今はパチンコ屋になっているのです。
また、足立区のお隣の川口市はかつて「キューポラの街」として、吉永小百合さん主演で映画にもなったほどですが、東京のベッドタウンとして開発が進み、今では細々と受け継がれているだけです。
文化で腹は膨れないかも知れません。しかし、失われた文化は取り戻せないということも同時に知っておく必要があるのです。
■金八記念館設立という希望
そんな中、「3年B組金八先生」シリーズの原作者である小山内美枝子さん、同シリーズ制作TBSプロデューサー柳井満さん、そして二中PTA会長の羽毛田順さん達が「金八記念館」として二中を残そうとしているのです。
「金八記念館」は二中の校舎をそのまま活用して、「3年B組金八先生」の各種ライブラリー施設に、給食設備を活用した「給食メニュー」のレストランを運営しようというのです。
展示場所以外の「空き教室」を常設の演技稽古場として、今流行の小劇団などに貸し出します。
そして、教室、校舎、校庭、体育館などは「撮影施設」として貸し出すというのです。
観光施設としても次世代の文化人を育てる、インキュベーション施設としても「駅前」というのはこれ以上望みようがない立地条件といえるのです。
そう、「金八記念館」には観光施設にはない幾つもの可能性があるのです。
(つづく) 近隣他区の状況
残して活かそう桜中学!
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